広い土地はどうやって売る?知っておきたい売却の基礎

「広めの土地を持っているものの、全部は売りたくない」。
「子供や孫に譲りたいから、一部だけ売りたい」。
こんな風に思う人がいるかもしれません。
しかし、その考えは意外と難しいのです。

土地を分割して売りたい人は、どうしたらいいか

実は、個人が土地を分割して売ることはできません。
広い土地があって、売却を望むなら、一括で売るか売らないでおくかのどちらかなのです。

土地を分割して複数回売ることができれば、売主にとってお得なように思えますね。
しかし、これは法律上、個人ではできないことなのです。
所有する土地を不特定多数の相手に反復継続して分けて売ることは、宅地建物取引業にあたり、宅建免許を持った人にしか行うことができません。

つまり、広くて高額になりなかなか買い手のつかないような土地を持っている人は、宅建業者に売るか、そのままの広さで所有していくかしかないのです。
個人の地主にとって、宅建法の残念な仕組みと言えます。

広い土地を売却するときの、新しいサービス

大きな土地は資産価値があるものの、その広さゆえ売りにくいのも事実。
そこで最近では不動産コンサルティング会社などによる、新しい解決策が登場しています。
それは、「直接移転売買」というもの。
このサービスは、これまでであれば仲介業者が得ていた利益分をコストカットすることで、土地所有者と購入者をよりダイレクトにつなぐ仕組みです。

例えば、従来であれば所有者は、買い手のつかない広めの土地は宅建業者に一括で購入してもらっていました。
業者は土地を分譲販売することで、所有者より多くの利益を得ていたわけです。

しかし、「直接移転売買」では、所有者から購入者へと、直接所有権や登記が移転する仕組みになっています。
業者はそれぞれの売買に「特約条項」をつけることで、こうした仕組みを実現しています。
これにより余分なコストを省くことができ、所有者への利益還元にもつながるのです。

所有する土地の価値に見合った売却が実現するよう、こういった新しい仕組みを知っておくと安心です。
土地の売却に迷ったら、さまざまな選択肢を検討してみることをおすすめします。