戸建を売る前にインスペクションをしておこう

「インスペクション」というのは日本語で言うと「建物診断」です。
住宅に精通した専門家・ホームインスペクター(建物診断士)が、専門的見地と第三者的立場から建物の状態について診断することを指します。

アメリカでは不動産取引の多くのケースでこのホームインスペクションが取り入れられ、もはや常識となっています。
シロアリ被害や地盤沈下など、住んでいる人間には気がつかないトラブルも発見できるので、近年日本でも注目されています。

インスペクションとはどんなもの?

インスペクターは主に目視で建物の状況を診断します。
室内はもちろん屋根や外壁、床下などを実際に目で見て、劣化具合や修繕の必要性を診断していきます。

欠陥の有無や基礎などの不具合、雨漏りなどについても診断します。

ただし、これらの診断は住宅の健康診断ともいえる、一次的な診断です。
依頼者の目的に応じて、さらに踏み込んだ診断が必要な場合もありますし、発見された不具合の兆候によっては機械を使った診断が求められるケースもあります。

ちなみに、診断を行う公認ホームインスペクターについては、2009年から資格試験が実施されています。
建築や不動産取引に関する知識は当然のこと、住宅診断方法における知識や高い倫理観を持つことが必要とされる職業です。

戸建売却時のインスペクションの有効性

現在は中古住宅が人気となり、不動産市場でも活発に取引が行われています。
しかし住宅は何十年も住み続ける物ですし、戸建となればどうしても見えないところに傷みが生じてしまいます。
居住中は気がつかなかった不具合に、売却を決め手から気がつくというケースも少なくありません。

売り手は「今まで住んでいたから大丈夫」と思ってしまいますが、買い手は「今後も住み続けて大丈夫かどうか」が気になるものです。

そんなとき、インスペクションを行っておくだけで、大きな安心材料になります。
仮に修繕の必要があったとしても、その時期や費用についても診断結果として明示されるので、購入希望者にとって透明性のある情報となります。

現在の住宅の状況についてはっきりすることで、買い手の購買欲を高めることも下げることもできるのです。

インスペクションにかかる費用は、一次診断で約5万円、機材を使った詳細診断では10万円ほどが目安となります。
安い費用ではありませんが、スムーズな売却のために有効な経費であることは間違いありません。

【2014年7月11日現在の情報】