不動産売却時の優遇税制

不動産の売却は何かと手順が多く、買主より売主の責任が重くなっています。
しかし、売主の方も、苦労したにも関わらず希望額では売れないこともありますね。
買い替えやローンの残債整理など、売り手の事情もあることでしょう。

そんなとき、売主の負担を軽減するためのシステムがあります。
それは「優遇税制」です。

不動産を売却する時には知っておきたい、優遇税制についてご紹介します。

不動産売却時の優遇税制とは

不動産は売買に多額のお金がやり取りされるため、法律や税制上の取り決めが細かく設定されています。
猫の目税制、といわれるほどよく制度が変わり、内容も複雑でわかりにくいものとなっていますが、しっかり理解しているかどうかで売却後の生活や資産に影響してきます。

マイホームの売却に際しては、売却益が3,000万円までは特別控除が認められ、税金がかかりません。

さらに土地と建物が共に夫婦の共有名義である場合、双方で適用されるので最高で6,000万円まで控除されることになります。

他にもいろいろな制度を活用しよう

「3,000万円の特別控除」の他にも、「軽減税率の特例」や「買い換え特例」というものがあります。

例えば、10年を超えて所有している住居を売却する場合、所定の条件を満たすものは、売却して得られた所得への税率が軽減されます。
こちらは「3,000万円の特別控除」と重ねて受けることができます。

軽減税率は6,000万円以下の部分には14%(所得税10%、住民税4%)、6,000万円を超えるときは20%(所得税15%、住民税5%)となっています。

次に「買い換え特例」についてです。
こちらは住居を買い換えるとき、売却した住居の譲渡益に対する課税を将来に繰り延べることができる、というものです。

この場合、気をつけなくてはいけないのが、「課税を繰り延べる」という点です。
非課税になるのではなく、あくまで先延ばしにされるだけ、ということに留意しましょう。

買い換えた住居を将来的に再び売却すると、そのときに課税がかかることになるのです。

「買い換え特例」を適用すると、「3,000万円の特別控除」は重ねて適用することができません。
さらに買い換えた住居にローンを組んでも、「住宅ローン控除」を適用することができなくなるので注意が必要です。

不動産を売却したときの譲渡益が3,000万円以下のときは、適用要件に当てはまる限り、「3,000万円の特別控除」を利用すれば良いでしょう。
譲渡益が3,000万円を超えたときは、「買い換え特例」を利用するかどうかの検討が必要となります。

【2014年6月22日現在の情報】